フランク・ロイド・ライトの建築が日本建築の形態の影響を受けていることは誰もが知るところである。ロビー邸は平等院鳳凰堂だし、ユニティ教会や、ジョンソン・ワックス社の全体プランは、日光東照宮の本殿と拝殿を『呂』の字型につなぐプランを踏襲している。 そして上図のジョンソン・ワックス社ビルの全体写真を見たら、誰もがもうひとつの日本建築の影響を指摘せずにはいられないだろう。つまり四角い塔が回廊に囲われているという構成。それは明らかに塔を擁した仏教建築の伽藍配置だ。 しかしジョンソン・ワックス社ビルにおける日本建築の影響はそれだけではない。この建物にはいくつかの特徴的ディテールがあり、それもまたそうなので…