「知ってはいけない」(矢部宏治著、講談社現代新書)は現状の日米外交の根本的な欠陥を赤裸々に示してくれた素晴らしい本です。ただし、疑問点もあります。「密約でも、国際法である以上、必ず守らなければならない。それは世界の常識である」と断定していることです。 法学に詳しくない私でさえ、その正反対の国際法を知っています。条約は署名しただけでは効力を示さず、当事国の国会の批准が必要なことです(厳密には国会の批准に限らず、受諾や承認や加入もあります。Wikipediaの「条約」参照)。条約によっては必ずしも国会の批准が必要でない場合もありますが、政治的に重要な問題は国会の批准が必要というのが国際標準です。 …