山口裕之『ひとは生命をどのように理解してきたか』(41) 今回は、第4章 機械としての生命 第4節 さまざまな力学系モデル の続き「オートポイエーシス・システム」(p.217~)である。 部品を一つの機械に組み上げる時に、我々はその機械の目的を意識せざるを得ない、機械に目的を与えるのは、製作者である人間である。それに対して、生物がその発生過程において自らの身体の輪郭を構成していくとき、部品を組み合わせて行く目的は外在的な誰かが与えるものではない。「だからといってその生物自身が自分の身体を組み立てるわけではない」と思われるかもしれない。そこで言うべきことは組立途中の機械はまだ機械ではないが、発生…