南米にはサルがいる。旧大陸のサルが「狭鼻猿類」と呼ばれるのに対し、南米のサルは「広鼻猿類」と呼ばれる。 しかし北米に(原住)サルはおらず―― 人類がそうだったとされるように、ベーリング陸橋を通って旧大陸から新大陸に移動してきた(又はその逆)とは考えられない。 そこでまず考えられたのは、もともとは同じ種類のサルだったのに旧大陸(アフリカ)と南米大陸が大陸移動で分離し、それで両者は隔離されて別々の進化の道を辿った、とする説である。 しかし近年これを凌ぐようになった有力説は、 「大陸分離は既に済んで、サルは旧大陸にしかいなかった。 だがその旧大陸から偶然、サルが南米大陸に漂着して南米にもサルが分布す…