新幹線500系は時速300㎞の走りを売りにJR西日本が1997年に颯爽と登場させた。その独特のスタイルと俊足さは当初人気を呼んだ。 (京都の人間にとって)500系関連のトピックといえば、なんと言っても2002年ノーベル化学賞受賞の田中耕一さんが授賞式出席にあたり上京するとき京都駅で報道陣らにもみくちゃにされながら意気揚揚と500系のぞみに乗り込んだことがもっとも印象に残っている。のちに田中さんはノーベル賞受賞時の感想を聞かれて「初めて500系に乗れたのでうれしかった」と言い添えている。それはその当時としては国民的栄誉を受ける人に対する最高の待遇だったのだろう。そのとき43歳で島津製作所の一介の…