連続テレビ小説「虎に翼」の登場人物である桂場等一郎(松山ケンイチ)のモデルが石田和外という元最高裁判所長官であり、長沼ナイキ事件を契機としてブルーパージと言われるリベラル系裁判官の追放を行った人物であるという情報を目にして興味を持ち、裁判所/裁判官の内幕を語った著作として本作をチョイス。 古巣の非を糾弾するのであれば個別具体の事例やデータが示されないと、単なる見解表明に過ぎないのでは。少なくとも帯にあるような「最高裁中枢の暗部を知る元エリート裁判官衝撃の告発!」と言えるような内容ではない。 司法機関の維持運営に際して政治と無縁ではいられるはずもなく、かつ、組織内政治が発生しないはずもないので、…