甲辰年五月初五。端午節。粽は昨日いたゞいて今日はデザートに湯圓頬張る。 稲田俊輔『異国の味』(集英社)読む。日本でポピュラーな外国料理として中華、ドイツ、フランス、タイ、ロシア、イタリア、スペイン、アメリカ、インドの十章からなるエッセイ。最後に醤油で甘塩っぽく煮た「日本のエスニック」もあり。著者は飲食店の経営でも成功し評価の高い外食の論客なのださう。新書など本文はあまりまとまりが悪くても「あとがき」がきちんとまとまつてゐて、それを読めば納得といふこと少なくないが本書は「はじめに」を読んだだけで著者がどれだけ飲食についてきちんと理論があつて物事を弁へて文章にしてゐるのか、は明瞭。「日本ほど世界中…