あれは三万五千年前に 噴き出した火焔の白い熾 大地のきずはいつしか治り あれは四千年前に 運行していた星の軌道 指さされたその彼方で あれはいつだったでしょうか 鉄の翼がのこした痕 巨大な悪意の膨張 立ち止まって 口あけて 指先離れた風船を 匿っている白い城砦 いつまでも、いつまでも scratch, scratch, scratch いたずら者の小鳥が石壁にとまり 短い尾羽をふるわせている 平気です 平気でないでしょうに scratch, scratch 白銀の画鋲が頭ひからせて 画用紙をひろびろと支えている 待つならば忍耐強く 絵筆をめいめい携えて 群れなし降りてくる亡霊は あんまりゆっく…