戦国の忍び 戦国大名は、悪党を支配下に編成することで、「昼」の支配から、「夜」の支配に大きく手を伸ばした権力ということができるかも知れない。 それまでの権力は「夜」を支配するアウトローたちを、武士が追捕(ついぶ)するといった形態を維持してきた。 それゆえに「夜」の世界に精通する彼らを、容易に捕捉(ほそく)できず、治安維持の成果もなかなか挙がらなかった。 だが、戦国大名は、悪党たちを忍びとして召し抱えることで、彼らを通じて「夜」の世界の規制に乗り出した本格的な政治権力だったといえるのではないだろうか。 この方向性は、江戸幕府にも引き継がれていった。 江戸時代、江戸の市中で活動し、犯罪者の摘発に当…