<目次> 相続はまだ。でも、向き合わずにはいられなかった 『放置』という選択肢がない理由 草を刈ったのは、土地のため以上に自分のためだった 父の記憶と、未来へのイメージが重なった 相続はまだ。でも、向き合わずにはいられなかった 父の実家は、今ではすっかり人の気配がなくなった古家です。私の子ども時代の記憶にはなく、父自身も学生時代をそこで過ごしただけ。その後は都市部で働き、戻ることのない家となりました。その古家の周囲には、農地と宅地が混在した形でおよそ4000坪にもおよぶ土地が広がっています。広すぎる敷地は長年手つかずのまま、草に覆われ、静かに時間を重ねていました。 そして今、父がまだ健在なうち…