実はさ、その昔、臨死体験っぽい体験をしたことがあるんだよ。 あれは中学の頃、喘息の発作が治まらなくて「いつもとは違う病院」の夜間救急に行ったんだよね。 それでお決まりのコースで点滴になったんだけども、なんというかこの日は、なんだか奇妙な胸騒ぎがしてさ・・・。 もうこの時点で喘息との付き合いはすでに長かったから、どんな治療をしてどんな流れで帰宅できるか入院になるかもわかるくらいに「病院慣れ」していたわけだけども、どうもこの日ばかりは奇妙に気持ちが落ち着かなかったのよ。 手慣れた感じで点滴を用意する看護師さんと、付き添いの母の顔の両方を眺めながら、「このシーンをこの目にしっかりと焼き付けておこう」…