真知子(新潮文庫) 作者:野上 弥生子 新潮社 Amazon 『翔ぶ女たち』小川公代著で取り上げられていた野上弥生子の作品から、まずは『真知子』を読む。 ジェイン・オースティンの『高慢と偏見』を翻案したそうだ。かの作品は「女性にとって結婚は幸福のゴールなのか」「経済力のない女性にとって財のある男性との結婚がすべてなのか」など、今日にも通じるテーマを扱っている。つーことで、泥縄式に『高慢と偏見』を併読中、なう。 曾根真知子は東京大学の社会学部の聴講生。(東京大学に初めて女子学生が入学したのは1946(昭和21)年)官僚だった父親は亡くなっていて、末娘である彼女の結婚が母親の最大の関心事だった。プ…