真言宗の一派。荼吉尼天を本尊と祀る左道密教。開祖は仁寛。
南北朝時代に南朝の護持僧であった文観弘真(もんかんこうしん)が、後醍醐天皇に直伝したという。この文観弘真は真言立川流の大成者といわれている
本来戒律で禁止されている性交や肉食を行い、性魔術を行った事、髑髏本尊などの呪法によりよく知られる。淫祠邪教として、江戸時代に徹底的な弾圧を受けた。
この「通夜参籠の術」のギミックは、拙著1巻でも使わせてもらっている。(以降ネタバレになるので、先を読む方は注意)。 主人公の義姉に対して、種付けをした声聞師らがいる。淀君に対して種付けを行った者らと、同じ党であるという設定である。その党の名を「陀天(だてん)党」とした。この陀天党は、これまた中世に実在したカルト教団をモデルにしてある。 その教団の名は伝わっていないが、現在の研究者の間では、便宜的に「彼の法(かのほう)」集団、或いは「内三部経流(ないさんぶきょうりゅう)」と呼ばれている。 この「彼の法」集団は13世紀前半に成立した教団で、密教本流から分派したというよりは、田舎の民間信仰をベースに…