「少年と犬」で久しぶりに涙を流してしまった私は、続いて馳さん作品「約束の地で」を図書館で手にしてしまい読了。「少年と犬」もそうだったように、連作短編風に、前作でちょい役で出てきた人物が、次作では主役あるいは主役並みに登場する形で、馳作品の特徴かもしれません。 「ちりちりと・・・」は、事業に失敗して死に場所を求めて故郷に舞い戻った堀口。地元の居酒屋で、思いがけずに知り合いと会い、堀口の父親が母や妹の死亡保険金や自分の退職金で5,000万円以上の金を持っていると耳にする。その金の一部でも自分に分けてくれたらやり直せると思い、その金を盗もうとして、父親に撃ち殺される。父親の浮気相手として名前が出る田…