昭和三年七月九、十日の両日に名古屋中央放送局から「昔と今の交通機関」という題で趣味講座として奈良平安朝以来徳川期を経て明治に至る迄の交通機関の起源沿革及其の発達の順序等を趣味的に牛車から鳳輦、籠、人力車、汽車、汽船、自動車、電車等を説明して放送した。 明治文化資料の錦絵を集める様になったのも最初は交通に関する汽車、汽船の図や人力車等の明治初年に出版された三枚続きの錦絵を参考の為に集めている内に、つい明治文化に及び文明開化の発展振りを錦絵で知る事は文化資料研究の貴重な材料であり且国宝的文献であると考え夫れ等を出来るだけ集める様に努力した。結果は汽車開通当時版行された物でも七十種集まった。其の他文…