日本学術振興会特別研究員(DC)は、博士課程の学生が研究に専念するために、月20万円の研究奨励金を支給する制度である。しかしながら、この20万円は給与所得として課税対象となるため、この中から所得税や住民税を納め、さらには国民健康保険や国民年金も支払う必要があり、実質的な手取りは15万円程度になる。ボーナスや家賃補助、交通費補助もない。とくに都会では家賃も高いので、一人暮らしをしているような学生であれば、ぎりぎりでやりくりすることになる人が多いのではないだろうか。 学振には研究遂行経費という制度がある。制度の内容としては、科研費以外で研究遂行に必要な出費が年間研究奨励金受給額の3割を上回ることが…