龍様に似ている男の背中 龍様 私が親しみを込めて龍様と呼んでいるその人は、小中高を通していつもだいたい近くにいた人で、小柄で顔も美形とは言いかねるのだけど体の成長がやけに早い人だった。つまり雄ホルモンが分泌されまくっていて、野性的で過渡的な色気を全身から放ちまくっていた。喧嘩っ早く気まぐれで学力もすこぶる低いが何かと豪快に笑う人気者だった。私は終始、彼の子分のように振る舞っていた。中学生で少年から漢になろうとしていた龍様は既に体毛が濃く、なかでもスネ毛はボーボーで、彼と同じ卓球部だった私は腹筋のときに彼の足を押さえるたび、太ももまでビッシリ生えた男の密林に鼻をうずめたい衝動を覚えた。しまいには…