伊予国の今治平野北部にあったラグーンに面した港町。伊予府中の外港の一つだったとみられ、少なくとも鎌倉期から海上輸送の拠点として利用されていた。江戸初期、藤堂高虎により今治城が築かれ、その城下町として再編された。 史料にみえる中世今治津 今治津の所在地 今治津の周辺 今治津と海上勢力 参考文献 史料にみえる中世今治津 鎌倉後期、弘安九年(1286)三月以前とみられる年に作成された紙背文書に「今治津」がみえる。同文書には、伊予国の国衙近郊で開催された「八十一品道場供養」という儀式のために、必要な道具を奈良から「今治津」へ搬送するなどの内容が記されている。ここから、「今治津」が物資の輸送に利用された…