ついに初春の扉が開き始めた。 やっと3月になった気がした。二月堂のお水取りの行事は始まったばかり。 14日の行事が終わるころ、やっと 本格的な春が訪れる。そして、色々な花がいたろところに 咲き乱れて百花繚乱の感の楽しみが増える。わたしは夜、家路に急いでいた今宵。 赤信号で止まる。何秒かか過ぎてうつむき加減の視線を上げた。 ふと焦点を合わせて南東の天を見上げた。 満月に近い月が雲間に浮かんでいた。暦で見ると3月は7日が満月という。 雲間を割った月がやわらかい。感じは朧昆布の中に落とし込んだ 卵の黄身の様。 それにも劣らない朧月が雲間に踊っていた。こうゆう日は艶歌にぴったり感じだった。 名月赤城山…