標記公演を見た(4月28夜, 29, 5月3, 4昼夜, 5日 新国立劇場 オペラパレス)。牧阿佐美版『ラ・バヤデール』(2000年)、5年振り7度目の上演である。芸術監督も、牧自身から、ビントレー、大原永子と代わり、今回初めて吉田都現監督が、今季のテーマ「歴代監督へのオマージュ」の一環として采配を振るう。 牧版の特徴は、先行のマカロワ版(80年)同様、ソビエト時代に失われた4幕「神々の怒り」を復活させ、結婚式と寺院崩壊を蘇らせた点にある。共にランチベリー編曲で双子のような存在。両版とも3幕とコンパクトにまとめるが、マカロワ版は1幕を「婚約式」(本来はバドリナータの祭り)までとし、同ディヴェル…