3 「理性」による科学と「身体性」が育んだ禅― 自己を知る智がない科学、自己を知る禅 「自分の健康は自分で保つ」ための活元運動を主とする野口整体の思想基盤には「禅」があり、「健康は医療が管理する」西洋医学の思想基盤は「科学」です(科学の大本には自然支配の思想がある)。 活元運動は「動く禅」とも呼ばれます。禅はインドを起源とし中国を経て伝わり、日本で完成したと言われます。 「日本の禅」は、十九世紀末から鈴木大拙師により、その哲学がアメリカや欧州に伝えられ、今や、欧米の多くの人々が盛んに「坐禅」をするようになりました。 これは、西洋文明・近代科学は外界探求と自我の確立(外に向かっての究明と雄弁)で…