ウクライナの国旗は、上半分の青が雲一つない晴天、下半分がたわわに実った小麦畑を表している。世界でも有数な穀倉地帯であるウクライナは、欧州はもちろん中東からアフリカ諸国の胃袋を支えてきた。それが昨年来のロシアからの侵攻によって、特に穀物の輸送に支障をきたしている。 すでにクリミア半島はロシアに実効支配されていたし、マリウポリなどアゾフ海寄りの港も失った。主要港で残っているのは、黒海有数の港町オデーサだけ。そこからの輸送船もロシアの攻撃にさらされる危険があった。 国連とトルコの仲介でロシアとウクライナが「穀物輸出合意」を昨年成立させ、なんとかソマリアなど国の食糧危機は回避されていた。しかし今月ロシ…