岩波文庫198ページ「しかあれば、参学の雲水、かならず勤学(きんがく)なるべし、容易にせしは不是(ふし)なり、勤学なりしは仏祖なり。おほよそ心不可得とは、画餅(わひん)一枚を買弄(まいろう)して、一口に咬著嚼尽(こうじゃしゃくじん)するをいふ。」 そういうことであるから、仏道を学ぼうという者たちは、必ず真実・真理を得るためにずっと一生懸命に学ばなければいけない。これぐらいで十分だなどと安易にしてはいけない。真実・真理を得るためにずっと一生懸命に学ぶ者は仏祖である。心不可得とはどういうことかを大まかに言えば、絵に描いた餅を買って一口にむしゃむしゃ食ってしまうことを言うのだ。 坐禅をして悟るという…