待望の競馬SF。序盤の短文の連続(緊迫感を出したいわけでもないのになぜ?)に面食らって、正直試し読みもしないで買ったことをちょっと後悔したけど、それ以降はそんなことなくて安心した。よく「問題作」という評を聞くけど、これは確かに問題作としか言いようがない。決して傑作とはいえないけど駄作ということは絶対にないけれど良作かと問われると……うーん……良作、というとちょっと足りないし佳作といえるほど優等生ではないわけで……と、煮え切らなくなる。競馬という競技の問題点をやや露悪的(ゆえに正しいとは言い切れない)に描いているという点でもちろん「問題作」だけどロシアに関する昨今の事情がより「問題作」感を増させ…