競馬ファンにとって、春の訪れを告げる伝統の一戦──天皇賞・春。静かに始まり、最後に熱狂が爆発する3000m超の長距離決戦は、名勝負が生まれる舞台でもある。 今回は、そんな天皇賞・春の中でも「伝説」となった、1997年マヤノトップガン“死んだフリ”大逆転劇の想い出から語りたい。 1997年 “死んだフリ”でぶち抜いたあの瞬間。三強対決──そして静かな裏切り者 1997年春。天皇賞・春には「三強」と呼ばれた馬たちが集結した。サクラローレル、マーベラスサンデー、マヤノトップガン。前評判ではサクラローレルとマーベラスサンデーが抜けていて、トップガンは一歩下という見方もあった。 鞍上は元祖天才ジョッキー…