初めにお断りしておきますが、この記事は表記作品のネタバレが満載ですので、当該の小説を未読の方にはおすすめしません。 8月最後の日曜日に区立図書館に行った時、今まで全巻揃っているのを一度も見かけたことがなかった宮部みゆきの『模倣犯』全5冊(新潮文庫版2005, 単行本初出は小学館2001)が揃っているのを見て、ついつい第1巻を借りてしまった。読みたいと思った強い動機として、少し前に読んだばかりの同じ作者の『小暮写眞館』を読み終えた時、この作品は『模倣犯』で書いたような陰惨な大量殺人の話はもう書きたくないと思うようになって書いた非ミステリの小説だということを知ったので、作者自身をそんな気持ちにさせ…