とある夏の台北 私は二泊三日の仲間との弾丸グルメ旅行に出かけていた。丁度その日は大稻埕慈聖宮のそびえ立つガジュマルの木の陰で、少し遅い朝食として魯肉飯を堪能していた。大稻埕慈聖宮の廟の前で、フレッシュな木漏れ日を浴びながら頂く魯肉飯は格別で、屋台の並ぶローカルな雰囲気も相まって、旅行欲を満たすにはもってこいのロケーションである。そんなことを考えながら仲間との談笑に耽っていると、すぐ近くのテーブルで、ブルーカラーの現地オヤジ達が何やら妙なお酒を盛り合っている光景が目に留まった。 謎酒の瓶 ラベルのない酒瓶から注がれる謎めいた赤い液体。朝の光を受け、作業着に身を包んだオヤジたちが何やら世間話に花を…