第158話 雨と珍客と 情緒のないアメリカ人 視界さえ危ういスコールの中、ソンテオは慎重に運転をしてくれていた。 そんな中、荷台の客席で彼女と改めて話をする。 シャイに見える彼女は、少しは僕に気を許してくれたのか、初めて名前を教えてくれた。 彼女の名前はルトナさんと言うらしい。 「良い名前ですね。」と僕が言うと、彼女は少し照れて笑った。 そして、やがて市街に入ろうと信号待ちをしている時、いきなり人が乗ってきた。 カーキ色のフード付きのジャンパーを着ていて、フードは被りっぱなしだ。 (おお!お客さんが本当に乗り合いで乗ってきた) と僕もビックリしていると、彼は勝手に椅子に座って寛ぎ出した。 顔を…