The Boston Strangler
1960年代ボストン。女性を狙った連続殺人事件が発生する。いずれの被害者も、犯人が押し入った形跡は無く、特殊な結び方によるロープで絞殺され、陵辱されていた。事件は「ボストン絞殺魔」として騒がれ、警察の捜査も難航するが、やがてアルバート・デサルヴォという男が容疑で逮捕される。しかしデサルヴォは身に全く覚えは無く、潔白を主張する。担当検事ボムトリーは、デサルヴォから自供を引き出そうとするが。
実話を元にしたドキュメンタリ・タッチのスリラー。前半は捜査の過程を、後半は犯人の主観を主に描いており、スプリット・スクリーンを駆使したリチャード・フライシャーの演出は切れがあり、代表作に推する向きも多い。当時の二枚目スター、トニー・カーティスのそれまでのイメージを払拭する演技も評価が高い。が、映画化当時、実名で登場した容疑者も検事も存命であり、しかもボムトリーの容疑に関しては係争中であった。映画の内容自体が推論を基にしている為、今では問題の多い映画との評価もある。デサルヴォは6年後に刑務所で刺殺されており、口封じの為だったという疑惑がある。また埋葬された彼の遺体からは内臓が全て抜き取られており、40年後のDNA鑑定でもデサルヴォは事件とは全く無関係だったとされた。