優しきハンパ者同じ双子で生まれたのに、弟はさして訓練もしていないのに、スゴい剣の才能があり、長じては人格も素晴らしい……燃え上がる嫉妬の炎毒。縁壱に嫉妬や妬みを覚えるまでの幼い頃の厳勝と、それ以降は、もう別人です。跡取りとして大事に育てられた若君の自分。 屋敷の端で冷遇されている弟。弟を可哀想に思い、父親の目を盗んで会いに行く姿は、幼いながらも立派な「武士」。父親にブン殴られても、笛を手作りし、腫れ上がった痛む顔に笑顔を浮かべて、コッソリ渡しに行くのですが、これはなかなか出来る事ではありません。 ただ、厳勝はこの笛と渡した事は覚えていても、わざわざ自分で作って、しかも呼子として使うように言った…