アーティゾン美術館『STEPS AHEAD』のミニコーナーとして新たにコレクションに加わったドローング6点とそれ以外の作品を集め『アンリ・マティスの素描』という部屋が設けられている。 新たに加わった6点を含めたマティスの素描も興味深い。図録の解説によると、もともと「デッサンを得意としたマティスは、黒インクを用いて対象を極限まで単純化したドローイングを、生涯を通して制作した」とある。 そう、マティスのあの対象表現における省略や柔らかい線は、確かなデッサン力に裏打ちされたものだということ。表現における省略は最終的に線をも失い、色面だけの切り絵にいきつくということなのかもしれない。 『ジャッキー』(…