久しぶりの『絵葉書を読む』第13回。今回の絵葉書はこちら。 『京都鞍馬山 源義経背比石』 源義経(遮那王)は、幼少の頃、京の鞍馬寺に預けられていたのだが、やがて奥州藤原氏を頼って寺を出奔する。その時名残りを惜しんで自分の背を比べたという石が「背比べ石」として伝わっている。(写真ではわかりにくいが、柵の中にあるのが「背比べ石」で、右手の石柱ではない) と、まあ、これはどこにでもあるような観光地の絵葉書で、特別おもしろいものでもない。単に差出人が京都在住の人だから選ばれたのだろう。 今回この絵葉書を取り上げたのは、表の通信文が興味深かったからだ。さっそく引用してみよう。(旧字・旧仮名遣い等は適宜改…