聖杯戦線'23の感想文です。 シナリオのネタバレありなので未読の方はご注意ください。 宇多田ヒカルの『誰かの願いが叶うころ』という楽曲がある。実写キャシャーンの主題歌にもなった名曲で、つべの公式CHにもMVがあるはずなので知らない人はぜひ映像つきで聴いてみてほしい。 歌詞はシンプルに恋愛のままならなさを歌った内容なのだが、"みんなの願いは同時には叶わない"の一節からも、「勝者の影には敗者が、幸福の裏には不幸がある」という人間社会の摂理にうっすら触れているように思える。 反願望機であるテュフォンからすると、希望を抱くこと・何かを願うこと・夢を見ること…人間の原動力ともいえるこれらの行為は、罪であ…