源氏は聞いて、恋人として考えるよりも、 首肯される意見を持つよき相談相手と信じていた その人の生命《いのち》が惜しまれて、 驚きながら六条邸を見舞った。 源氏は真心から御息所をいたわり、 御息所を慰める言葉を続けた。 病床の近くに源氏の座があって、 御息所は脇息《きょうそく》に倚りかかりながらものを言っていた。 非常に衰弱の見える昔の恋人のために源氏は泣いた。 どれほど愛していたかを この人に実証して見せることができないままで 死別をせねばならぬかと残念でならないのである。 🪷澪標(みおつくし)のあらすじはこちらをご覧ください↓🪷 少納言のホームページ 源氏物語&古典 syounagon-we…