[暴く者と紛れる者] とうとう始まったアイとシャドーのスカウトの為の勝負。 その展開は今は確実にシャドーに分があるという所であろう。 何せ、最初のアイの攻撃をその自身の特性で回避し、その勢いに乗って今度は自ら攻撃に転じて行ったのであるのだから。 戦いの流れは一見すると一方的に見える所であろう。だが、勝負となればその流れというものはいつもストレートに決まるという事ではないのであった。「ほう、やりおるな♪」 目の前の暗色の間欠泉を目にしたアイの台詞がそれであったのだ。 そう、その態度には余裕すら窺える所なのであった。 即ち、流れに傾きを与えられたのはアイの方だったようだ。 それを見ながらミナトは言…