このシリーズでは明治維新からニニ六事件まで、日本の近代史に沿いながら財政問題の流れを追ってきた。教科書的には明治政府は「富国強兵」、「殖産産業」のイメージがあり、強くて金もある「大きな政府」と捉えている人が大半だろう。私も松元崇さんの本を読むまで強くたくましい政府をイメージしていました。 しかし、日本の財政力は弱かった。財政を維持するため何度も軍縮を行った。それはワシントン軍縮会議やロンドン軍縮会議やの前からだ。はじまりは秩禄処分の徳川政権の武士層のリストラであった。これにより、徳川時代より「小さな」軍隊になったのだ。 日清戦争、日露戦争もギリギリの戦いであった。日清戦争では賠償金によって戦費…