2014年11月号掲載 毎日新聞地方部編集委員/藤原章生(当時) 先日、報道関係者の集まりに呼ばれた。福島を報じている者同士、自由に意見を交わすのが目的だという。会場に遅れていくと、何人かがすでに発表を終え、10数人が意見を交わしていた。流れが読めなかったが、民放テレビの女性記者が不平をこぼしていた。 「県外に自主避難したお母さんたちの不安を取材しているが、一向に取り上げてもらえない。私の力不足もあるが、こういう題材をオンエアしないムードが局にある」と、そんな内容だった。 50歳代の新聞記者がこう助言した。 「どこも幹部は東電や官僚とつながっている。それをどう打破するかだ。これは闘いなんだよ。…