第2章 美津江は祖母の死の知らせを聞いて以来、慌しさの中にいた。 その時、美津江はPTAの集まりで中学校にいた。何度もバイブレーションを繰り返す携帯に、不審を覚えて着信を見ると、見覚えがない。しかし、家族のような図々しさで、取るまではかけ続けるぞといわんばかりの機械音に廊下に出て受信してみれば、兄の沈んだ声が淡々と祖母の死と葬儀の段取りを告げた。 事情を話してすぐに家に帰り、夫に連絡をすると一緒に九州に帰るという。娘の塾やピアノ教室やバレー教室にも連絡を入れ、帰宅すると間髪を入れずに用意をさせて、羽田に向かった。夫とは空港で待ち合わせた。チケットは夫が手配してくれた。 埼玉から一時間半かけて羽…