『自分自身の体験と思索によって到達した考えは、たいがいの場合われわれはおだやかにつつしみ深く口にするものである。 ハンス・カロッサ「美しき惑いの年(岩波書店)」』 人生の年輪を感じさせる含蓄がある言葉を聞くと感動することがあります。 それは、その人が歩んできた積み重ねによって、会得してきたからなのでしょうね。 でも、雄弁なタイプや多弁なタイプよりも、ほとんど声を聞くことが無いような人のほうが、一言一言が地に着いた感じがするのも不思議です。 このフレーズにあるように、「おだやかにつつしみ深く口にする」とあるのがそれに相当するのだろうと考えています。 理屈の上で成り立っていても、どこか軽く感じる言…