私は、わからないまま書くことができない。 言葉を外に出す前に、いったん深く沈み、 その沈黙の中で“意味”と“身体感覚”がひとつになるのを待つ。 そのプロセスは、哲学者ムーミンが草むらの奥でじっと考える姿に似ている。 すぐに答えを見つけようとしない。 ただ、その場に静かに横たわり、 世界の輪郭が自分の内側にゆっくりと馴染んでいくのを待つ。 私は、書く前に必ずこの沈む時間が必要だ。 ひとつの言葉が、 自分の奥のほうで“カチッ”と音を立てて 位置を与えられる瞬間が来るまで、 文章は動かない。 それは効率ではなく、習慣でもなく、 もはや OS に近い。 言葉は外に出た瞬間に、 自分の意図とは別の場所を…