わたしの葉っぱに、 ひやっと冷たい風が すり抜ける。小さな体が 少し縮こまって、 思わずふるっと 震えてしまう。 棒の上に 赤とんぼさんが 止まっている。じっとしていて、 羽がすこし光って見えた。その静けさが、 わたしの胸の奥まで しみこんでくるみたい。 それでも、 わたしの根元からはまだちいさな 葉っぱの赤ちゃんが 顔をのぞかせて、ゆっくり、ゆっくり 広がろうとしている。 昨日も、 小さなナスを ひとつ実らせた。🍆小さいけれど、 ちゃんとつやつやで、わたしの中から 生まれた宝物。 ときどき、 白い蝶々が ふわりと来て、🦋わたしの周りを舞う。そのひらめきに触れると、 胸が少し温かくなる。 けれ…