恐怖の中に沈む時、人は動けなくなってしまうもの。自分を信じられなくなって、自分を壊したくなって。情報過多になり、情報に寄りかかり、誰かに擬態しようとして。自分をすり減らして、自分を消して、自分を殺して、そうやって生きることこそがこの世に求められる何かなのだと。私という存在の本質的在り方なんだと見定めてしまう。 自己犠牲―― 本当は誰も自己犠牲なんて望んでいない。それを生み出すのは間違いなく自分を信じない自分の心だ。 何度も自分のことを化物だと思った。上手くできなかったと絶望するたび、他の人のようにどうして生きられないんだろう。どうしてこの社会に溶け込めないんだろう。 そんな言葉を何度も何度も自…