歌った。 母が亡くなった日。 母と対面し 実家の洗面台の鏡の前で手を洗いながら、 子どもの頃聴いていた明るいアニメソングを、私は小さく歌った。 後ろで順番を待っていた叔父が、驚いた顔をしたのがわかった。 タオルで手を拭く。 短い歌がサビに入った頃 叔父が黙って手を洗い始めた。 叔父は何も言わなかったけど、 その後母が亡くなった部屋で母の通帳やらを兄、叔父、私で探すとき、 他にも何かを探すとき、 いつも音楽をかけてくれた。 もしかしたら、叔父もそうしたかったのかもしれない。 心臓が張り裂けそうな時間、 恐怖やもう何かよくわからない感情と立ち向かわないといけない時間、 私はいつもリズムも勇気も失う…