いわゆる非圧縮性流体解析では,流体は圧縮しないと仮定する。別の言い方をすると,流体の密度は圧力によって変化しないことになる。流体の密度が圧力によって変化しないとすると,連続(質量保存)の式とNavier-Stokes式から密度をとおした圧力の影響はなくなり,Navier-Stokes (運動量保存)式に圧力勾配の形のみで圧力の影響が残る。そのため,非圧縮性流体解析では,圧力の絶対値は必要なく相対値のみを求めればよい。圧力の解は無数に存在することになるため,圧力を一意に定めるためには恣意的に圧力の基準点を設定する必要がある。流出境界に圧力指定境界条件を用いる場合には,流出境界面を圧力の基準点とす…