数年前から読みたいと思っていた本。やっと読めた。 本書は、著者が2013年に、横浜市立大学に受理された博士論文を下敷きに、加筆修正したもの、と「あとがき」にあるように、元は学術論文である。 本書を読もうと思った動機は、『自衛隊協力映画(協力映画)』として分析の対象となっている作品(本書第Ⅱ部掲出)全32作の内、11作を観ている、ということだけだからではない。個人的に怪獣映画作中での自衛隊の協力が、平成ガメラシリーズの登場によって、それまでとはガラッと変わってしまったかのような印象を持っていたので、そのことを(怪獣映画全体の中で、時系列的に)確認できるかも知れない、と考えたのだ。そしてその考えは…