仏と菩薩と聖声聞と独覚との過去現在未来のすべてに礼拝し奉ります。 それでは、今回から第三章の「弟子品」を、ご一緒に読んでいきましょう。 その時、長者・維摩詰自ら念(おも)えらく、 「われ疾(やまい)の床に寝ぬ、世尊の大慈なんぞ あわれみを垂れたまわざらんや」と。 仏その意を知しめして、即ち舎利弟に告げたまわく、 「法行いて、維摩詰に詣(いた)りて疾(やまい)を問え」と。 舎利弗仏にもうしてもうさく、『世尊、我彼(われかしこ)に 詣って疾を問うにたえず。ゆえいかんというに、 憶念するに、我むかしかつて林中に於て樹下に宴坐しき。 時に維摩詰来って我に謂いて言わく、 「唯(いい)、舎利弗、必ずしも是…