花こま

「今年の出国ピークは、」といった報道にあるように、正月を海外で過ごす方が増えています。以前では考えられない国際交流とインターネットの発達で、驚くほどの情報、文化を手にする時代となりました。あれもこれもと興味が尽きる事がありません。半面、失われていく伝統的な文化を思うにつけ、時代の移ろいも感じさせられます。そんな中、こちらの保育園では、毎年1月の新年行事で伝統芸能と触れる機会をつくっておられます。人形や獅子が舞台で踊っている時は大丈夫なのですが、近づいて来ようものなら、怖くて泣き出してしまう子ども達もいます。蒸した餅米から目の前でつき上げた「お餅」を実際に食べてみると心も踊ります。これらの体験が…

仲間同士が集まっての新年会の流れで、何とか家族も一緒になって楽しむ会にできないかという企画でお招き頂きました。どこで私達とのご縁があったのか一度伺いたいなと思っていたところ、幹事を務められたご本人が皆さんにお話しされました。もう２０年くらい前の事ですが、ご本人の結婚式に花こまを呼んで下さったのがご縁だったという事でした。結婚式に参列されたご親族の皆さん方に大層喜ばれ、それ以来ずっと頭の隅にあったそうです。今回、家族も一緒になって楽しむ会の企画にあたり、花こまを思い出され、今回の実現に至ったというお話でした。自分達も盛り上がって楽しもうという意欲満々の中、見るだけでなく参加できるとあって、すべて…

地元の皆さんをはじめ、遠く北海道や沖縄からも駆けつけて下さり、心のこもったたくさんのメッセージ、総勢１８０名の参加者の皆様と一緒に、とっちゃんの魅力とその思い出に溢れた、未来に向かう素敵な会になりました。帰られる皆さんが口々に「良かったよ！」「いい会になったね！」と感想を頂きました。ひとえに皆様のお力添えの賜物だと感謝致しております。突然のとっちゃんの逝去に伴い、思い出が一杯詰まった心の中は、一瞬にして混乱と悲しみに包まれ、暫く整理できませんでした。とっちゃんが私達に残してくれたものを手掛かりに、心の整理をし、前へ進んでいこうという会になりました。そして、何より私達と共に歩み、私達を励まし続け…

少しでも収入を得るために、隙間時間を使ってまでアルバイトを紹介してくれるアプリがありますが、子どもの頃に抱いた「働く」という思いは、この間大きく変わりました。様々な人々の「働き」で、社会が構成されているというイメージは薄れ、買うならより安く、壊れたら修理せずに買い替える、そんな今の生活水準を維持するために必死で「働く」というイメージへと変わってきているのを感じます。今回この様な会場に呼ばれると、自分の仕事に、自信と誇りを持って「働く」という意味を考えさせられます。使えきれないくらい莫大なお金を儲けている金持ちの皆さんがいるのですから、もう少しその分け前を私達に還元してくれても、決してばちなど当…

「十人十色」「千差万別」「三者三様」こういう言葉があるのに、どこかで「皆同じだ」と勝手に思い込んでしまう節がどうもあるのです。獅子舞で園児の頭を噛んでいるとそれが良く分かります。きっと精一杯我慢していたのでしょう、年長の男の子が体を震わせながら、頭を噛まれるのを待っていました。ところが２歳児の男の子の中には、噛み終わった後に「ありがとう！」と声をかけてくれる子がいました。「２歳児なのに凄い！」。それではまだまだ「千差万別」の境地ではないと、自分をいさめられたでしょうか？いいえ、何のためらいも無しに、しっかり「２歳児なのに凄い！」でした。常日頃から娯楽を求めるかの様に「違いを求め」続けないと、そ…

獅子が子ども達の頭を噛んでまわっている時、怖くて思いっ切り泣き叫んでいるお友達がいました。今までなら、少しでも早く恐ろしさから逃れられる様に、早く噛み終われたらいいなと思ってきましたが、今日は「心の底から思いっきり泣けばいいんだよ！」そんな気持ちになりました。人は新しく何かを掴もうとする時、「思いっきり」「一生懸命」「必死」になるんじゃないかと思いました。穏やかである事は本当に大切な事ですが、時には「心が痛む体験」も、とても大事なのではないかと、子ども達の反応で、そんな考えがふと頭をよぎるのでした。恐ろしい体験の後は、恒例の美味しい体験でめでたしめでたし！ 演目：寿獅子、もちつきばやし 寿獅子…

何十年に渡って、毎年１月には私達を必ず迎え入れて下さる、そんな喜びをぐっと噛みしめながらの公演でした。今年はお正月らしく、琴の演奏も入れる事ができました。日頃見せる事の無い笑顔が、会場中に振り撒かれ、感動の歓声を発している利用者の皆さんを、この上もない満足感に溢れた職員の方が、優しく見守っておられました。獅子で頭を噛んでまわっていると、涙を流しながら「ありがとう！」と何度もお礼を言われる姿が、今も頭から離れません。「このような非日常は、私達職員では決して作り出せませんから！」と施設長さんは語られます。それはそうなのでしょう。それでも、この様に喜んで下さると、こちらこそ胸が熱くなってしまうのでし…