私はグレアム・グリーンの良い読者ではない。 皆さんと同様、映画『第三の男』(1949)の素晴らしさで、原作者グリーンを知りました。 第三の男(字幕版) ジョゼフ・コットン Amazon 少し前に、長編小説出版第一作『もうひとりの自分』(1929)を読んで、ああ、グリーンさんは逃げがちな人生だったのだな、と思った。 最初から誰かに追われている主人公、何故?どんな奴に?という謎と、主人公がどういう男で、途上で知り合った女がどういうヒトなのか、がわかってゆく作品。とっても面白かった。 まあ壊れたところもあるのだけれど、欠陥のない作品なんてないし、作者本人も再出版時に手を入れようか?と思ったけど、やっ…