茶娘は老いて新芽の茶山かな 茶どころ静岡の茶山は、いま美しい緑の樹海になっている。この連休は茶摘みの真最中で茶農家さんもこの時季は大忙しだ。 けれど、山を歩いていると荒れた茶畑が非常に目につく。父祖伝来とはいえ条件の悪い茶山を守っていくのは難しい。茶の需要は下がり後継者もいないなかで茶産業は危機的といえる。農薬もたくさん使われれていると聞く。50年も経てば、静岡の山はチャノキの原生林になっても不思議ではない。 長年、産地を支えてきた茶産業だが、実はあまり唄に残されていない感じがする。 茶摘みの歌といえば、まず「夏も近づく八十八夜、野にも山にも若葉が茂る」という唱歌を思い出すが、これは明治の頃の…