静岡市街の繁華街の北西隣に茶町という一角がある。賑やかな呉服町などから数百mの距離だが、静かな街を歩くと、茶葉の香りが漂うのを感じる。街のそこかしこにある茶問屋や製茶工場から醸し出る匂いだ。県内各産地の茶葉がこの街に集まる。徳川家康は、将軍職を退いた後、当時、駿府と呼ばれた静岡の街に隠居した。家康が、茶を扱う商人を城下町の一角に集めたのが、茶町の起源とされる。 「茶町」の由来などを記した碑 茶を好んだ家康は、現在の静岡市最北部の山間地の茶を、現地の蔵で半年熟成させた上で、毎年献上させた。この史実を再現する行事が毎年行われているようだ。現在、この急峻な山地一帯は「本山茶」という有名な茶産地である…