降り乱れ ひまなき空に 亡き人の 天《あま》がけるらん 宿ぞ悲しき 霙と雪の荒れ日和に 源氏は、 前斎宮の宮を気遣って手紙を送った (前斎宮〈六条御息所の娘〉に by 源氏の君) 〜雪や霙がしきりに降り乱れている中空を、 亡き母宮の御霊が まだ家の上を離れずに 天翔けっていらっしゃるのだろうと 悲しく思われます 【第14帖 澪標 みおつくし】 雪が霙《みぞれ》となり、 また白く雪になるような荒日和《あれびより》に、 宮がどんなに寂しく思っておいでになるであろうと 想像をしながら源氏は使いを出した。 こういう天気の日にどういうお気持ちでいられますか。 降り乱れ ひまなき空に 亡き人の 天《あま》…